きっとあなたはいつまでも 「……どうしたの銀ちゃん、突然来たりして」 「いや、お菓子くれないかなー、と思って」 「わざわざお菓子もらいにここまで来たの！？」 「だって今日はあれですよ、ハローウィークですよ、トリックアートですよ」 「ハロウィンだし、トリック・オア・トリートだよ。掠りゃいいってもんじゃないよ」 「細けーこと言ってんじゃねーよ。ほれほれお菓子くれなきゃいたずらするぞー」 「ちょっ、変なとこ触んないでくれる？」 「冷てーなァ。わざわざ訪ねてきた彼氏にそれはねーんじゃねーの！？」 「お菓子せびりに来ただけじゃない」 「……とかなんとか言っちゃって、実は用意してくれちゃってんでしょー？　なんか甘い匂いがするし！」 「……違いますぅー、自分が食べたくて作ってただけですぅー」 「素直じゃねーなァ。ってことでお邪魔しまーす」 「あっ、こら！　なに我が物顔であがりこんでるのよ！」 「いいじゃねーか、今日くらい。それに仕方ねーよ、お菓子が俺を呼んでるんだからよ」 「今日くらいっていつもじゃない！」 「……間違った。俺を呼んでんのはお菓子じゃなくてだったかァ？」 「なっ……なによ、それっ！」 「照れない照れない。そーかそーか、そんなに銀さんに会いたかったか」 「うっさい！　違うって言ってんでしょ！　いい加減なこと言ってると殴るわよ！」 「いってェェェ！　殴るわよって、もう殴ってんじゃねーか！」 「銀ちゃんがくだらないことしか言わないからでしょ！」 「だから俺がお前に会いたかったんだって言ってんの！　無理やり理由つけてお前んちくるのも、もう限界なんだよ！」 「だったら普通にくればいいじゃない！」 「……え、いいの？」 「ダメなわけないでしょ。なんだと思ってたのよ」 「じゃあ」 「なによ」 「ハロウィンなので、お菓子とを下さい」 「やっぱ帰れ、この変態！」